母子テントのヒミツ〜オトナの本気をコドモに見せる

NUVの母子テントは、杉並区の善福寺で子どものための居場所づくりをしている岩田ゆかりさんが担ってくれています。岩田さんの善福寺での活動のこと、子どもたちの未来について、お話を伺いました。


●”0”から”1”にする姿が子ども達に伝わるといい

ーーーふだんの活動を教えてください

岩田ゆかりさん(以下敬称略):杉並区の善福寺地域で、”Cocoon parents square”という託児所を経営しています。わたしはもともと杉並の善福寺で育っていて、途中別のところに住んだりもしたんですが、またこの緑の多い善福寺地域に戻って子育をしています。仕事場も善福寺公園のすぐ隣の一軒家のお家のような託児所です。対象は乳幼児から小学生まで。平日の9:00〜18:00は日中のあそび場として、15:00〜18:00は放課後の学び場として開いています。

ーーー託児所からはじめて、いまは善福寺公園にプレーパークを作っているんですよね。

岩田:はい。毎週水曜日は「善福寺プレーパーク」の事務局として活動しています。毎月第一土曜には、善福寺公園で善福寺プレーパークを開催しています。

ーーープレーパークは”自分の責任で自由に遊ぶ”をモットーにしている「冒険遊び場」ですね。子どもたちが自分たちで焚き火をできたり、ちょっと危ないことでも”自分の責任で”遊ばせる場所として、全国で有志の人たちが展開しています。どうしてそういう場所を作ろうと思ったんですか?

岩田:実家が渋谷にあって、羽根木公園の羽根木プレーパークと、代々木公園の近くにある、はるのおがわプレーパークへ子ども達とよく遊びに行っていました。杉並に移り住んで、子ども達が大きくなるにつれ、子ども達の自転車圏内で自由に遊びに行ける「冒険遊び場」があるといいなーという思いがあったんです。一昨年くらいから準備をはじめて、子ども達が小学校に上がって知り合いになった地域のお母さんたちといっしょに、善福寺プレーパークを立ち上げました。”0”から”1”にしたばかりのほやほやです。この”0”から”1”にするという、つくることへの姿が子ども達に伝わるといいな、と思っています。

ーーー立ち上げはたいへんだと思いますが、そういう場所がもっとたくさん、いろいろな場所に増えたらいいなと思います。NU VILLAGEのメンバーもプレーパークにはだいぶお世話になっていますし、だいぶ影響を受けています。

●”オトナの本気の姿”が一番いい

ーーー母子テントのことを教えてください。

岩田:母子テントはいろんな形でNU VILLAGEのメッセージを発信できる場になるのでは、と思っています。
今年は、いっしょにテントを手伝ってくれる酵素シスターズのマキちゃんも私も、パパたちが仕事で来れないので、母子テントにいっしょに寝泊まりしようと思っています。テントで一緒になるのは、ボランティアで参加する人と母子の方の両方で。この組み合わせもとてもいいと思っています。

ーーーそもそもNUVとはどんなつながりが?

岩田:NU VILLAGEの主宰者の中の二人とは12歳からの幼馴染で。ちょうど今のウチの子の年齢からの付き合い。とても深いつながりを感じてます。NU VILLAGEの前身であるOVAの時から遊ばせてもらっているし、2009年の皆既日食のパーティーの時は、まだ1歳半と3歳半の子ども二人を母に10日間預けて遊びに行ったりした(笑)。彼らや仲間たちと「オトナとコドモ」のためのNU VILLAGEというパーティーをつくっていて、この動いている形に本当に共鳴してます。

ーーーNU VILLAGEのひとつのテーマに、家族のかたちの進化というものがあります。母子テントというのは、そういう家族の新しいカタチの練習のような気もしていてとても楽しみだし、先駆的だなあと思っているのですが。

岩田:日々、月曜から金曜まで託児所として子どもを預かっていると、預ける理由はほんとに人それぞれ。子どもの数と同じだけ預ける理由もある。ほんとうに家族のかたちにはいろんな形があって当たり前だとおもいます。それは子どもの個性がそれぞれ全部違うのと同じかな、と。

ーーーなるほど、家族にも個性があるんですね。親たちが、オトナたちが、その個性を自分で納得していて、子どもにきちんと示せるのであれば、家族はどういうカタチでもいいような気がしますね。最終的には、オトナが子どもを信頼していれば、子どもも世界を信じられるというか。

岩田:子どもは子どもで勝手に楽しいところ、ワクワクするところに情報を取りにいくしね。親が思ってるよりも子どもの世界って広くって、知らない間にどんどん自分の世界を広げている事に驚くよ。子どもは、オトナの事情とか関係なく自由。だからみせてくれる世界がぜんぜん違う!! だから、わたしは子どものサポートができる仕事が好き。母子テントもそうだし、託児所のCocoonも、プレーパークも同じ。
そういうところで見せるオトナの本気の姿は、子どもが世界を広げていく成長にとって一番いいと思う。本気で踊るオトナとかもとってもいい(笑)。今回、母子テントを手伝ってくれる酵素シスターズのマキちゃんが届けてくれる酵素の素材や材料も本気。みんなで食べるカマドで炊くご飯も本気です!

ーーー子どもたちが毎年成長していくから、オトナたちもやることが成長していったり、成長しなくちゃ、という気にもなりますよね。

岩田:うん。来年は、父子テントがあってもいいと思うし(笑)。あとは子どもだけで泊まる子どもテントもやれたらいいな! まずは中学生からとか、ボランティアしながらとかでもいい。

ーーーそれ、来年やりましょう! 母子テント、楽しみにしてます!